2015年04月05日

海外での飲食店開業 香港編Part3

海外での飲食店開業 香港編Part2からのつづきです。

⑤コンストラクション開始、各種準備
コンストラクション(内外装工事)が開始したら毎日進捗状況をチェックしましょう。
コンストラクター(内外装業者)がこちらの要望や設計図とは違ったことをやってるように思ったらどんどん突っ込んでいってチェックしていかないと、予定とは違ったものができあがってしまう可能性があります。出来上がってから作りなおすのでは時間と労力に大きな無駄ができてしまいます。できるかぎりマメに確認していきましょう。
ここから同時進行するものがたくさんでてきますので一覧として確認していきましょう。
●設備などの手配
(タイミング:物件決定前−コンストラクション開始前)
業態により様々だと思いますが冷蔵庫や冷凍庫、製氷機、調理設備などは非常に大きなものですのでデザイナーや設計士との綿密な確認、打ち合わせが必要です。内装が出来上がってから設備を入れるためのスペースがなくなるとかなり大きな時間とお金を浪費します。できるかぎり物件決定前からある程度のリストアップは済ませておき店舗の大きさや席数などが想定できたらすぐに使う設備のサイズや数量、価格などを決定しておきましょう。業者からは事前にクォーテーションを取っておくことをお勧めします。(在庫の有無や価格の確認ができますし、正確なサイズなどもわかります)あと機材を早めに決めておけば消費電力や給排水の必要性の確認もしておけます。製氷機などは給排水との接続が必要ですのでレイアウトによっては管を通さなくてはなりませんのでできる限り早めにサイズや配置場所はデザイナーやコンストラクターに伝えておきましょう。

●事務、アカウント関連などの手配
(タイミング:BR受領後−コンストラクション終了前)
お店運営用の銀行口座開設(会社の口座として最初に作るのが普通)、水道や電気などの開設手配(これはコンストラクション前) 、電話回線の手配(インターネット含む) 、POSやキャッシャーなどの手配、クレジットカード会社との契約作業などです。
BR(ビジネスレジストリ)は比較的簡単にすぐ手配できます。さまざまな契約などに必要なものですので何よりも優先的に取得する必要があります。物件の住所が決まってしまえば内装施行開始前に申請できますので物件決定したらすぐに申請しなくてはなりません。これ以降は数枚のBRのコピーをバッグに入れておくと物事がスムーズに進みます。スキャンしたデータ(PDFで携帯に保存がおすすめです)をすぐにメール転送できるように準備しておいてもいいと思います。
サプライヤーや様々な業者などとのやり取りが非常にスムーズに進むと思います。
そしてビザの申請(必要な場合)なども物件が決まってBRを取ってからおこなうのですが、これに関しては長くなるので別途書きたいと思います。

● 什器、備品(準備期間が必要なもの)類の選定とサプライヤーの選定とオーダー
(タイミング:物件決定前後−ハンドオーバー直後)
店舗責任者はまずメニューや商品構成を考えなくてはなりません。ヘッドシェフやヘッドバーテンダーはこの時点でレシピなどを考えなくてはなりません。
なぜなら必要な什器や飲食品原料のサプライヤー(業者)などと話をしていくうえで必要だからです。
物件とおおまかなレイアウトが決まると席数なども分かってきますので什器類の必要数が計算できます。そしてデザインなども決まっていればそのデザインに合わせた器や備品などを選ぶこともできます。まず様々な什器や備品などのカタログをサプライヤーなどから集め専門店などを周り価格や物品をチェックして周りリストアップしていきます。
同時に今後付き合っていくであろうサプライヤーとのコンタクトをどんどん取ってプライスリストを集めていきます。これをメニューやレシピと合わせてリストアップしていかなくてはなりません。同時に原価率の計算をしながら価格設定も考えていかなければまりません。グランドメニュー作りも同時に進めていきます。
什器に関しては必要なものが決まり次第クォーテーション(見積もり)を取っていきましょう。これは早いほうがいいです。なぜなら在庫がない商品などに関しては入荷に時間がかかる場合があります。L’etageのオープンのときに手配したグラスも船便で3ヶ月かかってるものがあります。什器類は悪くなるものではありませんのでクォーテーションとって問題がなければできるだけ早めにオーダーして納品日を物件ハンドオーバー後にリクエストしておきましょう。(サプライヤーからデポジットの請求はあります。)
その他準備に時間のかかる備品(例えばロゴ入りのコースターやナプキン、名刺、領収証など)は物件が決まったくらいでどんどん選定手配などしていきましょう。ロゴなどをデザイナーなどに依頼するときは印刷屋とうまく繋げてやり取りしていきましょう。デザイン依頼→デザインを印刷屋に渡しサンプル依頼→サンプル確認後に正式オーダー→ハンドオーバー直後に納品をリクエストという風にプロセスを考えるとしっかりとデザインを選ぶ場合はハンドオーバーの二ヶ月くらい前から動き出したほうがいいと思います。
お酒などの悪くならないものはハンドオーバーの1ヶ月前を切ったくらいにクォーテーションを取りましょう。
クォーテーションには有効期限があります。なぜかというとその後に価格変更があったり打ち切り商品が出てしまう可能性がありますのでだいたいのところは有効期限を記載します。だいたいお酒などは1ヶ月以内の短い期間で設定されることはありませんので1ヶ月を目安として取るのがいいと思います。
なぜクォーテーションを取る必要があるのか?
初期のオーダーというものはかなりの量と額になってしまいます。そしてだいたいのサプライヤーは初回の取引をCOD(キャッシュオンデリバリー)とするところが多いのです。
そうなると事前にキャッシュかチェック(小切手)の準備をしておく必要があります。会計時は事前にチェックを用意しておくと非常にやり取りがスムーズです。
そして、ものによっては在庫がない場合や価格変更がされている場合があります。支払いの準備をスムーズにおこなうと同時にスムーズな納品ができます。
事前に準備できることはしっかりしておきイレギュラーを一つでも減らせるようにしておくのはとても大事なことです。

● 人事
(タイミング:準備期間中ずっと)
人材の募集と面接などを行い人材を確保していきます。
当然、収支計画時に立てた雇用条件の設定や人件費のバジェットを考えて雇用していかなくてはなりません。
店舗の責任者となる人が中心となって行っていきますので、これが始まると店舗責任者のスケジューリングは非常にハードなものとなってきます。ですので人事、インタビュー関連のスケジュールは事前にどの時期にやるか決めておきましょう。入社希望者がまだどこかで働いているなら、1マンスノーティス(1ヶ月前の退職願い)のことも考えてハンドオーバーの1ヶ月以上前に決めてしまうといいでしょう。

● 備品準備
(タイミング:ハンドオーバー数日前−ハンドオーバー直後)
買うだけで済むような備品の準備です。
例えばレジ周りのハサミやクリップなどの文具であったり、ラップやホイル、洗剤などのキッチン用品や掃除道具などです。
これはハンドオーバー時期に買っておいたほうが置くところにも困りませんので都合がいいです。

●動作確認
(タイミング:ハンドオーバー数日前−ハンドオーバー直後)
ハンドオーバーの時や設備の納品時にはしっかり動作確認をおこないましょう。
すべてのコンセントにちゃんと電力がいっていて正常に動作しているかの確認や給排水などがスムーズにできるか?ドアや様々な立て付け具の開閉などをおこなって不備がないか確認しましょう。
ハンドオーバーのときに確認しておけば時間もお金もかからずに不備を修正できます。
営業中に問題が起きてから対応しなくても済むように事前に一通りの動作確認はやっておく必要があります。
最終的にはオペレーションのシュミレーションを通してやってみる必要もあるかと思います。

● 各種納品
(タイミング:ハンドオーバー直後)
什器類や商品(お酒などの悪くならないもの)などはハンドオーバーしてから店舗を整理して掃除してから一気に納品するのが一番いいとは思いますが、ものによっては納品時期がずれることもあります。しかし、できる限り納品はまとめてやったほうがいいでしょう。
コンストラクション中の納品はできるだけ避けたいところです。納品してしまうと破損の恐れや作業の妨げになる可能性もあります。だいたいの業者は事前にお願いしておけば指定日に納品してくれるはずですので納品日は計画的に重ねて、チェックや納品確認の準備をしておくと良いと思います。

●店舗準備
(タイミング:ハンドオーバー−開店)
ライセンスが出ているか待っているかで状況は大きく変わります。
この間にライセンス認可のための各デパートメント(ハイジーンデパートメント、ファイアサービスデパートメントなど)からインスペクション(検査)を受けたりすることになると思います。
このスケジューリングは最優先で事前に対策をしておく必要があります。
例えばハイジーンデパートメントに対しては蓋付きのゴミ箱の用意や冷蔵庫や冷凍庫の温度計設置などしっかりインスペクション対策をしておく必要があります。再検査などになればさらにライセンス取得までの時間が無駄にかかることになってしまいます。これは必須事項ですのでコンストラクション期間中から事前に準備しておきましょう。
試作やシュミレーションをおこなうなどして店舗の営業ができるかどうか、チェックをしていく必要があります。この時点ではすべてが揃っていなくてはなりません。基本的にはレストランライセンスやリカーライセンスがないと営業(一般客を入れること)はできません。
香港の飲食店ではよくプライベートパーティーという形でライセンス取得前に開けることがありますが、事故や喧嘩などがあった場合に警察などが入ってしまったりすることがありえます。それを考えるとリスクがあります。厳密にはライセンス取得前というのはお金をとってお酒を出してはいけない状態ですので、気をつけたほうがいいかとは思います。
このライセンス取得までの間は非常に動きにくい期間となります。前触れもなくいきなりライセンスというのは出ますので、スタッフトレーニングをおこなったり系列店があるところなら研修に出したりすることも手だと思いますし、お店なりにいろいろやることを考えて動いたほうがいいでしょう。

●ライセンス取得後
これで晴れてオープンです。日本とは違ってライセンス取得のタイミングがいつになるのかわからないのでオープニングの事前告知ができません。
ここ香港の飲食店ではそういった事情をふまえてライセンス取得時からソフトオープンという形で営業を始め、ライセンス取得時点でグランドオープニングの日程などを決めプレスリリースやオープニングパーティーのインビテーションなどの配布をおこないます。プレスリリースの効果は非常に大きくグランドオープン前に雑誌などの取材が入ればいい宣伝になりますのでこれは積極的に行っていきたいものです。
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細かく書けばきりがないほどオープンにはいろいろと必要なことがあります。
経験がないと言葉の説明だけでは伝わらないこともたくさんあります。聞いてれば簡単に感じるかもしれませんが実際にやると思った通りにならないことだらけです。そして本当の勝負はオープンしてからです。

次回は「立ち上げの最初に決めること」について書こうと思います。
posted by Robusto at 08:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 海外での飲食店の開業 | 更新情報をチェックする
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