2016年01月01日

趣味、稼業、ビジネスの違い Part2

新年あけましておめでとうございます。
だいぶ更新頻度が落ちていて申し訳ありません。現在のお店Cima Fine dining Barの準備も落ち着きましたので今年よりしっかりと定期的にブログの更新をしていきたいと思います。
どうか今年もよろしくお願いします。

今回はビジネスと稼業の違いの中でのこだわりというものについて書いてみたいと思います。
まずはこだわりとは何か?ということからgoo辞書より
1 ちょっとしたことを必要以上に気にする。気持ちがとらわれる。拘泥 (こうでい) する。「些細 (ささい) なミスに―・る」「形式に―・る」
2 物事に妥協せず、とことん追求する。「素材に―・った逸品」
3 つかえたりひっかかったりする。
「それ程―・らずに、するすると私の咽喉を滑り越したものだろうか」〈漱石・硝子戸の中〉
4 難癖をつける。けちをつける。
「郡司師高―・って埒 (らち) 明けず」〈浄・娥歌かるた〉
となっておりますが、我々の業界でよく使うこだわりは主に1と2にあたるのではないかと思います。
日本の飲食業においてこだわりというのは主に2のことを言ういい意味合いが多いですが、ある意味でいうと1の場合もあります。
例えば
バーカウンターのトップを「一枚板にこだわる」という場合。コストがかかってでもそれにこだわるということですが、そこには素晴らしい良さや魅力もあり2ととらえることができますが、一枚板に魅力を感じない人には1ともとらえられるわけです。
そしてそこにもし何百万円というお金をかけて作ったとしても、一枚板のカウンターがあるという効果からそれにかかったコスト分以上の利益が取れるかというと、それは非常に難しい話です。
その一枚板のカウンターも含めてお店全体の内装や雰囲気の良さなどが集客効果に繋がるということはありますが、それは直接的な効果ではあまりなく間接的な効果なのです。
なぜなら一般的な顧客の来店動機としては「雰囲気のいいお店だから」とか「飲み物(食べ物)が美味しいから」などという理由はあっても「カウンターが一枚板だから」という動機はほとんどあり得ないからです。来店動機に限らず商品単価や客単価に関しても一枚板のカウンターがそれらを変える直接的な要因に繋がることはまずあり得ないことで、一枚板のカウンターも含めたうえで「高級感があるお店だから」とか「(全体的な意味で)こだわりがあるお店だから」という要因で高い単価でもお客様が納得してお支払いできるわけなので間接的な要因でしかありえないのです。

こだわりというものは時には合理性や効率性が伴わない場合が多々あります。だからこそ「こだわり」だと私は思ってます。
たとえば料理でもドリンクでも簡単に作れる機械や効率的に作る方法があったとしても手作りや伝統的な手法にこだわることがあります。
こういった例が飲食業などにおいては一番多い形の「こだわり」ではないかと思います。

ただビジネスにおいてはこだわりが多すぎると効率が悪くなってしまう場合が多いです。個人で稼業としてやる場合にはできるこだわりも、ビジネスとして考えた場合にはできない、もしくは成り立たないことがあります。
わかりやすくいうと一日に100杯のラーメンしか作らないラーメン屋さんと1000杯のラーメンを作るお店ではこだわれる内容が違うということです。
だからこの形のこだわりということだけで考えると小型店のほうがやりやすいことはたくさんあります。
丸氷を機械ではなく手作りにこだわろうと思えば大型店ではかなりの手間と時間と労力がかかりますが、小型店では難しいことではありません。
だしの取り方などでも既製品などを使わずに手間ひまかかる取り方で取ることにこだわれるのも、大型店より小型店のほうがやりやすいですし、ジュース類も既製品ではなくハンドスクイーズするというこだわりも同じです。
このように飲食店には様々なこだわりが多く、それは大型店よりも小型店のほうがやりやすいことが多いです。
特に日本の職人は他国の人に比べて圧倒的にいろんなこだわりが多いので必然的に小型店が多くなるというのも現実だと思います。
ただ、大型店(チェーン店)だからこそできるこだわりもあるのです。
手間ひまかかるこだわりの調理法でそれを一つ一つやったら非効率的だと思われることをやりたい場合に、チェーン店があるお店ならセンターキッチンを作ってその作業を効率的にできるようにすることもできますし、仕入れなどの原価もおさえることができ、利益効率もあげることができたりもします。

さて、いろんな形のこだわりがありいろんな側面があるということはわかっていただけたとは思いますが、話を本来の課題に戻します。
ビジネスと稼業の二つのスタイルにおけるこだわりについて
まずビジネスにおいて費用対効果の低いこだわりやお客様に伝わりにくいもしくは共感してもらいにくいこだわりは向いていません。そのこだわりが集客効果に繋がったり、客単価アップ、コスト削減に繋がるなどの効果がなければビジネス目的の営業には使えません。それは調理法や手法などに関わらず、内装やロケーション、営業スタイルなどどれにおいても言えることです。
簡単に言うとお店を作るにあたり個人の嗜好がどれだけ反映できるかということです。それが個人経営の小型店のほうが比較的大型チェーン店よりも反映しやすい場合が多いのです。
大きな企業が経営するファミリーレストランと個人経営の小料理屋で比較イメージして考えてもらえばわかると思います。
ビジネススタイルでやる場合には当然稼業としてやるよりはこだわりは少なくなってしまいますが、こだわりが全くゼロというわけではありません。
ビジネスを重視した大型チェーン店でもロス率が高かったり原価効率が悪いこだわり看板メニューがある場合もあるし、家賃が高かったり売上げ効率が悪くてもフラッグシップ店を高額家賃の一等立地に持つことがあったりすることもあると思います。
ただ、そこにはこだわりもある反面、ビジネスプランを立てたうえでの様々な効果も考えられている場合が多いのです。
そういう視点でいろんな飲食店を見てみるといろいろと学べることも多く楽しいのではないかと思います。
というわけで、またつづきます。
posted by Robusto at 11:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 仕事の考え方 | 更新情報をチェックする

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