2015年04月09日

世界への挑戦3(海外に出た当初)

世界への挑戦1(決意の理由)でも書かせていただいた通り、私は日本人のプロフェッショナルなバーテンダーがどんどん世界に出ていける時代がきてほしいと願っております。だからこそ、海外での経験をこのようにブログとして一般公開し多くの方々に情報をシェアできればと思ってやっております。
やはり島国日本と海外ではいろいろと大きな違いがあります。日本でトップクラスのバーテンダーだからといって海外にでても、いきなり同じようなことができるかといえばそうではないと思うのです。お店に来るお客様も違うし環境や一緒に働くスタッフも全く違うところでは簡単には同じことはできません。
ここ香港でも私が来たばかりの2008年には日本人のバーテンダーはわずかしかいませんでしたし、当時私が働いていたお店でもほとんどが日本人のお客様でしたし、外国人に日本人のバーテンディングの良さはほとんど伝わっておりませんでした。ジャパニーズバーテンダーの需要なんてほとんど無いに等しいものでした。2009年頃上海に行ってた時代もそうでした。上海に日本人のバーテンダーはたくさんいたものの日本人が集まるエリアで主に日本人客を中心に営業していたお店ばかりでした。
当然、それでは世界にアピールすることは難しく、私がやりたいスタイルとはまったく別のものでした。
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どの業界でも同じようなことがいえるのではないかと思います。
たとえば現在の香港はジャパニーズラーメンブームですが、私が来たばかりのころは日本スタイルのラーメン屋さんなどは数えるほどしかありませんでした。当時はラーメンの堅麺というものは受け入れられるような環境ではなくラーメンだけでなくパスタでもなんでもブヨブヨの柔らかい麺に需要がありました。
そんな当時の香港で挑戦をはじめた日本のいくつかのラーメン屋さんが今の香港のラーメンブームを作ったのは間違いない事実だと思うのです。
当時、「香港人には味がわからない」とか「日本人と違って外国人は味覚音痴だから」と何もやらないで上から目線だった人たちがいた中、「今はまだ途上状態だけど日本の味を知ってもらいたい」とか「香港の人たちの需要に合わせて少しずつでも」と努力してきた人たちがいるんです。そういう人たちが切り開いたのが今のジャパニーズラーメンブームです。「これが日本の味だから」と言ってお客様の好みや需要も考えず、工夫や努力もせずに「自分たちの味」を売れる時代ではなかったと思います。
当時は正直、日本人の口には合わないと思えるようなものが意外と流行ってたりもしました。でも、それをただ単に「不味い」と思うだけの人はそれだけだと思います。もしそこにお客さんが入っていて賑わっているなら、そこには何かがあるのです。当時の日本人の多くが「香港は日本よりラーメンがまずい」って言ってました。ただその当時に日本とまるっきし同じものを作ってもビジネスがうまくいっていたとは限らないと思うのです。
当然、当時は日本と同じような麺を手に入れるのは難しかったです。当時はまだ今ほどの需要や人気が無かったので高い価格設定にするのもリスクがあり、需要の少ない特殊原材料などはコスト的にも使いにくかったと思います。しかし、今新しく香港に進出してきたラーメン屋さんはみんなやりたい放題です。その環境を作ったのは以前より香港で頑張ってきたラーメン屋さんがあったからこそです。
お店のある商圏でそれだけの需要があるか?そしてそれがどれだけのビジネスに繋がるか?ということが大事であって、そこで売れなければ誰がうまいと言おうとこだわっていようとビジネスとしては成り立たないのです。
わかりやすくここ香港で極端に需要の伸びたラーメン業界に例えましたが、これはラーメンだけでなく他の分野にも言えることです。
もちろん我々バー業界もです。今でこそここ香港でも日本人バーテンダーのお店に多くの外国人が訪れ楽しむ時代になってきました。2008年当時はまだそのような需要はありませんでした。今でこそ1杯のカクテルで100HKD以上取るのが当たり前になってきましたが、当時は70-80HKDくらいが相場でした。香港人も外国人も香港においてカクテルというものをオーダーなどしない時代でした。
香港には少し前にカクテルブームがきました。今までワインやビールしか飲んでいなかったような人たちもカクテルをオーダーする時代になったのです。
「需要を作る」というフロンティア的なことも我々はやっていかなくてはいけないと思うのです。それが去年の広州での挑戦の一つの理由でもありました。
簡単ではありません。努力や苦労はもちろん忍耐も必要です。いつ訪れるかわからない未来を信じてやらなきゃいけないのですから不安もあります。
私はお金儲けがしたくて海外に来たわけではありません。お金儲けがしたいだけなら便乗商売のほうが楽でしょう。
私はわずかでもいいから未来を変えたいと思ってます。もちろんそんなに大それたことができるほどの力はありませんが、努力をすれば何かが変わるはずなんです。できないと思って何もやらないより、どうなるかわからない未来に向かってできる限りの努力をして生きていきたいと思ってます。
需要の無いところ、少ないところに需要を作るというのも私のやりたい挑戦のテーマの一つです。

Hirakawa
posted by Robusto at 09:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 世界への挑戦 | 更新情報をチェックする

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