2015年04月06日

海外のバー事情2(チップ1)

今回はチップについて書きたいと思います。
これは現代の日本人にはあまりなじみのないカルチャーですが、日本も昔「給仕」や「女給」と飲食店のスタッフが呼ばれていた頃にはチップの制度が当たり前でキャバレーなどの女給などは給料ではなくチップで生活していたと言われてます。
そんな日本ではほぼ無くなってしまったチップの習慣ですが、現代でもいろんな国でチップの習慣があります。
私が現在住む香港でもチップの習慣はあります。
しかし、私が今まで香港を含め海外で働いてきてすごく思うのが、日本人はチップを払わない人が多いということです。そしてチップをシステムだと考えている人が多いということです。
よく海外旅行のガイドブックなどにチップに関して書いている内容を見ると「お会計の●●パーセント」という風に書いてあったり、どういうお店で払うべきでどういうお店では払わなくていいみたいなことが書いてありますが、旅行などの短期間の滞在でチップをどうしたらいいかわからない人にはその程度の説明でいいのだろうとは思いますし、むしろそのほうが簡単でわかりやすいと思うのですが、海外生活をする人にはチップというものは本来そういうものではないということをできれば知ってもらいたいです。
必ず支払わなくてはいけないものでもないし、自分が払いたいと思えるサービスに対しては本来あまり払うようなお店ではなくても本人の気持ちで払えばいいし、相場より多く払うのも少なく払うのも払う本人次第なのです。
私はチップというものは気持ちとして払うべきものだと思ってます。嫌な思いをさせられたお店で払う必要はないし、自分がサービスによって気持ちよくお店で過ごせたなら払えばいいと常に思ってます。
読んでいる方の参考になるかどうかわかりませんが、私がどういう時にチップをどれくらい置くかということを例をあげてみましょう。

●チップを払わないとき
スタッフから嫌な対応を受けたとき
出てきたものが価格に見合わないひどい商品だったとき

●チップを少なく払うとき
従業員がチップ欲しさにお釣りを小銭だらけで渡してきたとき(そんなことしなくても払うのに)
小さな不満があったとき

●相場通りのチップを払うとき(私はランチやカフェなどでは10−20HKD程度、ディナーやバーなどでは20−40HKD程度で払ってます。)
サービスに特に不備がなく、問題なく過ごせたとき
特に嫌な思いさえしなければだいたい相場通りは払います。

●少し多めにチップを払うとき
自分が何かをこぼしてしまったり、「ちょっとわがままを言ったかな?」と思ったとき
知り合いのお店(スタッフたちが「知り合いの友人はケチばかり」と思うとかわいそうなので、知り合いの顔を立てる意味で)
スタッフの対応が迅速だったり好意的だと感じたとき
スタッフが好きなものや好きな席を覚えてくれてたりするなど、気のきくサービスをしてくれたとき
うるさくてちょっと迷惑かけたかもな?などと思うとき

●結構多めにチップをはらうとき
お店の人がいろいろサービス(無料)で何かを出してくれたとき
重い荷物などを運んでくれたり、預かってくれるなど、スタッフに無駄な労力を使わせてしまったとき
お店の備品や什器などを破損してしまったとき※
他のお客様にはしないような特別なサービスをしてくれたとき(同席者の誕生日をお祝いしてくれたり、特別メニューを出してくれたり)
大事な人を連れて行って、気遣い気配りをしっかりしてくれていいサービスをしてくれたとき

などです。(当然お店の内容や価格帯で金額は全然違います)
※お店の什器などの破損はそれに対する弁償の意味というよりは、片付けやフォローなどしてくれたスタッフへの気持ちとしてです。弁償とは別で考えてます。

そして一つ注意なのですが、香港では1HKDというチップは渡さないようにしましょう。理由は香港では葬式の帰りに1HKDを渡すという風習があり、意図的にお釣りの端数が1HKDではないのに1HKDだけをあえて出すなどするのは非常に悪い意味が込められていたり、受け取る側もそれを感じてしまうことがあるからです。もちろん日本人などの外国人はそういったことを知らない人が多いので、外国人からの場合は受け取る側もそこまで深読みすることはないでしょう。しかし1HKDというあえて一番小さな数字でチップをあえて渡すくらいならノーチップにするほうが無難だと思います。お葬式の習慣を抜きにしても1HKDだけのチップっていうのは逆に嫌な思いをさせかねませんのでご注意を。

そして「サービスチャージを取るお店ではチップは払わなくてもいい」というのも日本人の中で伝わる誤解の一つです。なぜならサービスチャージをチップの代わりとしてスタッフに分配しているというお店を今まで私は聞いたことがありません。方針上チップを受け取らないというなら話は違いますが、どういうお店だろうが払わなくていいなんてことはありません。(チップを受けとらない分給料を他店より高めに設定するお店はあるとは思いますが決して全てがそうとは限りません)
私は香港で一般的にチップは不要と言われるようなローカルレストラン(お粥屋や飲茶、雲呑麺屋)などに行っても、いいサービスを受ければチップを置くことも多々あります。そういうところには観光で来た友人などを連れて行きたいと思うから、今後もそういうサービスを頑張って続けてほしいという思いを込めてチップを払います。(そんなたいした額ではありませんが)

もう一つ私のチップを置く基準として「今後もそのお店に行きたい」と思うかどうかもあります。
嫌な思いをしてもう二度と行きたくないと思うならチップも置かずに帰ればいいだけですが、もし「今後も知人などを連れて行きたい」と思うならば気持ち程度でいいので払っておいたほうがいいと私は思います。
例えば、もしほぼ満席の時にそのお店に知り合いなどを連れて行った時に普段チップを払わないお客さんだったら満席と一言で断られて終わるかもしれませんが、いつもチップをもらってるお客さんならどうにかして席を作ったり、なんらかの配慮をしてくれると思うのです。
これは「そういうときのために賄賂代わりにチップを渡しておくべき」という意味ではなく。スタッフも人間ですから感謝の気持ちを持たない人のために何かを一生懸命してあげようなんて思いません。チップは感謝の気持ちの現れですから。
そしてこれは非常に面白い傾向なんですが、チップを払うひとほど、在店中のマナーも良い人が多く帰る時も「ありがとう楽しかったよ」などと感謝の気持ちを発してくれる人が多いのです。逆にチップを払わないひとほどマナーも悪く、わがままだったりするものなんです。当然スタッフもこのような人だったら後者よりも前者を優先して良いサービスをおこなうはずです。この両者は同じお店に行っても前者は良いサービスの好循環の恩恵を受け、後者は大事にしてもらえない悪循環の洗礼を受け続けるでしょう。
だから私は必ずお店に行けば一言でも必ず「Thank you」の言葉は伝えます。何かをサーブしてくれても、笑顔で対応してくれても、なんでもいいから自分を気持ち良くしてくれる人には感謝の気持ちを表すよう心がけてます。
サービスはただではありません。いいサービスを引き出せるかどうかはお客さんとして行く側の自分にもあると私は思ってます。
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何度もいいますがチップはあくまでも気持ちで払うものだと私は思ってます。それは実際に自分たちが受け取る時にもお客様の気持ちを感じることが多いからです。
そしてそれは金額の問題ではなく、我々のサービスを喜んでくれたというお客様のメッセージであり自分たちの仕事の成果だからです。


少し長くなってしまったのでつづきはまた次回に
今回はチップを払う側の視点を中心に書きましたが、次回はチップをもらう側の視点を中心に書きたいと思います。

Hirakawa
posted by Robusto at 17:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 海外のバー事情 | 更新情報をチェックする

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